

まえおき
高校生のころ、学校の先生に「背骨に脳をまっすぐのせないと、集中できないぞ」と言われたことがあり、勉強するときは椅子にちゃんと座る必要があると思っていました。
しかし、私自身ソファーでゴロゴロしながら本を読んでも、ちゃんと頭に入ってくるし、めちゃくちゃ集中できるんです!
そして、兄コアラもチャレンジタッチをソファーで横になりながら解いています。
せっかく勉強しているのに、それをガミガミ注意するも違うなと思い、勉強する時の姿勢について調べてみました。
勉強と姿勢の関係
勉強と姿勢に関する研究
教育系サイト、受験塾系サイトには「良い姿勢」は集中力を高めると記載されていました。
「良い姿勢」と「悪い姿勢」での問題の正答率を比べた研究は、検索するとたくさんでてきて、ほとんどの研究は「良い姿勢」で正答率が高いという結果が得られていました。(中には正答率に変化なしのものもありました)
ただ、研究対象が少ないものが多く、個人差に影響を受けてしまうことは否めません。
ある姿勢と学力の関係を調査した研究によると、5年生における良い姿勢と悪い姿勢で計算問題を解く実験をしたところ、正解率が8.6%、解答率が8.1%姿勢が良い方が数字があがったという結果が出ている。
引用元:中部教育ラボ様「正しい姿勢は勉強のやる気・成績に影響する!?」
カイロプラクティックの視点からの研究として、
姿勢と計算成績の関係について調べた。「楽な姿勢」(悪い姿勢の人がいると仮定)と「良い姿勢」の両姿勢で簡単な加減乗算を解いてもらった。その結果、「楽な姿勢」の時より「良い姿勢」で解いた時の方が正解率、解答率共に良いという結果が得られた。すなわち、姿勢を良くすることにより、計算成績が向上していることが明らかとなった。
引用元:姿勢と計算成績との関係について 大藤 晃義ら
こちらの研究は対象が中学生、高校生、高専生と多岐にわたりますが、中学生三年生に行った実験は対象が210人と比較的大きな研究となっていました。カイロプラクティックの方の研究というところが面白いですね。
論文末尾は、“日々、身体、姿勢について相談にのり、施術しているカイロプラクターの責任は重いのである。”と締めくくられていました。

カイロプラクティックの方にまで、子供の勉強を応援されてると思うとやる気がでますね。
子供の姿勢に悩んだら、育脳のためにカイロプラクティックに連れて行くのもいいかもと思いました。
脳科学者の意見
人間の脳について研究し数々の著書を残している東京大学教授の池谷裕二さんは、
脳と集中力は、実はあんまり関係ないです。集中力に関しては、姿勢と筋力が密接に関係しています。結局、何をするにしても足腰を使っているじゃないですか?歩くときはもちろん、座ってる時もそう。
足腰が悪かったり、筋力が衰えたら姿勢を維持できないわけですし、結局、集中できない。集中力の持続が短くなるのは、脳が衰えてるとかじゃなくて、姿勢を維持できないせいだと思います。
そして、その姿勢を維持するためには、筋力が重要ということになりますね。本を持つ姿勢を維持しているということは、姿勢を維持する筋肉を使っているということ。だから、筋力、体力が必要になるわけです。
いい姿勢の重要性に関しては、論文としても過去に発表されているんです。猫背で、いかにも自信なく物事を決断するより、胸を張ったいい姿勢で決断した方が、その後の結果に自信が持てるというデータが出ているんです。
引用元:Sports Navi Do様「集中力UPのカギは、脳ではなく、筋力にあった!いい姿勢が、いい仕事につながる」
ここでも、勉強と運動の関係がでてきましたね。運動すると、脳が活性化する(海馬が大きくなる)。運動もできて勉強もできるというのは別の才能ではなく、両立することが必然なんですよね!

兄コアラがダラダラして勉強するのも、姿勢が悪いのも、体力がないためということはわかっていました…。
良い姿勢で勉強しないさいと声掛けするのではなく、体力づくりをサポートするところから始めようと思います。
脳医学者の林成之先生によると、
姿勢が悪いと体軸が傾き、目線も傾いてしまうそう。すると、左右の目から入ってきた情報にズレが生じ、脳が左右の情報をひとつにまとめる作業が必要になるため、脳が疲れやすくなるのだとか。
正しい姿勢を保つと、情報をまとめる作業が不要になるぶん、左右の脳が同時に働くために疲れにくく、集中力がアップするといいます。
引用元:woman exicte様「姿勢が悪いと判断力や集中力に悪影響!」
医学博士で本郷赤門前クリニック院長の吉田たかよしさんは、
体を寝転がせてしまうと、脳幹網様体(睡眠に関係している脳の部位)が、「はい、ここで休み時間ですよー」というふうに、脳全体に活動を抑える命令を出してしまう。
引用元:早稲田集中力研究会公式サイト様「寝転んで勉強はアリかナシか」
とおっしゃっています。
私の考え
「良い姿勢」の重要性がわかってきたけど、
私は、「机に向かって勉強しないさい」と子供に注意をしたくないのです。
あまりガミガミ言うと、勉強をすることへのハードルがあがりそうで…。
ところで、アメリカ人ってソファーに寝っ転がって勉強しているイメージないですか?それでもノーベル賞受賞者数ぶっちぎりですよね。

アメリカの子供は、本当にソファーで勉強してる?
家具屋さんのアシュレイのホームページに、
日本の学習机のように機能的なものはアメリカにはあまり無いのです。それは何故かというと、小学生くらいのアメリカの子どもたちの勉強場所は、キッチンカウンターやダイニング、リビングのソファ、ベッドの上…等々。専用の机に向かって勉強するスタイルでは無いからなのです。

やっぱり!アメリカはこのイメージ!さすが自由の国。姿勢を気にせず勉強しても賢くなるってことだよね?
アメリカでは中学生くらいになって勉強量が増えてくると、自分の部屋にシンプルな机を置くようになってきます。幼少期~小学生くらいの子ども部屋には、勉強机ではなく工作用のキッズテーブル&チェアを置いたりする事があります。
本格的に勉強スタートしはじめると、アメリカ人も机で勉強しはじめるんですね。
「良い姿勢」は勉強に集中できるという研究結果もあるようですし、机に座って勉強することも大事だと再認識しました。
ただし、本を読む、タブレット学習をするくらいは、「ソファーでごろごろしながら」を許容したいと思います。
私が今まで一緒に働いた中でぶっちりぎ天才のドクターは(身バレするのであまり書けませんが、たぶん日本一天才)、本を読むときはエアロバイクをこぐと言ってました。理由は時間がもったいないからと言っていましたが、おそらく「シンクロマッスル学習効果」のためと思います。
シンクロマッスル学習:運動しながら、勉強することで記憶力があがること(動きながら勉強すると、記憶に関係するといわれるセロトニンが分泌するからだとか…)
子供にとっての勉強は座学だけではないので、外でキャッチボールをしながら、しりとりをしたり、クイズを出し合ったりなど…。
それも子供にとって「良い姿勢」の一つかもしれませんね。


勉強する時の「良い姿勢」とは?
良い姿勢の条件

勉強に良い姿勢は、学習机メーカーさんが一番よく知っていると思い、学習机のITOKIさんのサイトより抜粋させていただきました。
- 足はしっかり床についている(または足置き)
- 背もたれに背中があたる(背もたれに体重をかけてもたれるのではない)。背もたれまで深く腰掛けることで上体がまっすぐになる。
- 机とおなかの間はこぶし一個分程度あいている
- おへそと机の高さが同じくらい
良い姿勢を保つための便利グッズ
バランスチェア
兄コアラが猫背なので、我が家もバランスチェアを使用中。猫背の兄コアラもバランスチェアに座ると、背筋がピンとなります。
我が家は安いものを購入しましたが、使い勝手で後悔しています。(椅子の足が固定されているタイプがおすすめ。我が家のバランスチェアはタイヤ付きで動いてしまいます)
このように動かないものがおすすめです


学習台(斜傾台)
学習机やダイニングテーブルにセットして使用します。10度の傾斜がポイントで、角度があった方が目にやさしく、姿勢もよくなるそうです。

我が家はこれを使っています
こちらは学習台も取り扱っています



姿勢をサポートしてくれるグッズを使って、ママが注意しなくても良い姿勢で勉強してもらいたいですね!