まえがき
私は基本的にご褒美賛成派です!
理由は単純!ご褒美をあげたときの子供の笑顔を見たいからですっ!
しかし、
「ご褒美をあげると、ご褒美がなければやらない子になる」
このイメージが払拭できないため、ご褒美の是非に悩んでいます。
ちなみに私は、「ご褒美あり」の家庭で育ちました。
〇〇あげるから○○してというセリフ、父からたくさん聞いたような(笑)
また、学校の成績に対してもご褒美がありました。
兄弟3人ともお金が欲しくて勉強したという記憶はなく、自主的に勉強に取り組んでいました。
お手伝いに関しても「ご褒美がないならやらない」というよりは、親にやりなさいと言われればやる、親が忙しそうだからやってあげるというような感覚だったと思います。
そんな自分の体験から、我が家の子育ても「ご褒美OK」となっています。
しかし、本当にご褒美OKでいいのか確証が持てないので、
今回はご褒美の是非について調べてみました!
みんなはご褒美あげてる?
ツイッターでフォロワーの皆様にアンケートをとりました!
50人から回答があり、結果は以下の通りです。
成果に対してご褒美あり | 20% |
努力に対してご褒美あり | 32% |
物質的なご褒美はないが褒めまくる | 48% |
「物質的なご褒美は与えず褒めるのみ」というのが約半数で、一番多かったです。
しかし、「成果に対してご褒美を与える」「努力に対してご褒美を与える」を足すと52%となり、約半数の方はご褒美をあげているという結果になりました。
ちなみに、我が家はご褒美と褒めまくるの両方(笑)
ちなみに、ご褒美のかわりに褒めるというのは良いことに感じますが、褒められることにも依存性があり、褒められないとやらないというリスクがあるようです(アドラー心理学より)
褒めるということで子供をコントロールしているため、ご褒美と変わらないということになるそうです。
褒めるという行為には「能力のある人が、能力のない人に下す評価」という側面が含まれています。
人が他者をほめるとき、その目的は「自分よりも能力の劣る相手を操作すること」なのです。
引用文献:ダイヤモンド社 嫌われる勇気 岸見一郎著
なるほど…。
他人に操作されて行った行為は、内的動機(自分の興味・関心など)に基づくものとは言えないですね。
こちらの本を参考にしました☟
ご褒美NG派
ハッピーエデュ代表のはせがわ わかさんは、物質的なご褒美NGの理由に「アンダーマイニング効果」を挙げてらっしゃいます。
アンダーマイニング効果:喜んでやっていることにご褒美をあげると、喜びを感じられなくなる現象。
人は本来、他人を助けると幸せを感じます。つまり、お手伝い自体がご褒美なんです。
このようなご褒美を「内的報酬」といいます。
でも、内的報酬は案外もろくて、ご褒美のおもちゃのように、その行為とは関係ない報酬(外的報酬)をもらうと幸せの理由が外的報酬にすり替えられてしまいます。
引用文献:SB Creative社 一人でできる子になるテキトー子育て はせがわ わか著
この本を参考にしています☟
実際に認知心理学者マイケル・トマセロ博士が、小さい子どものお手伝いへのご褒美にどんな効果があるか実験した結果、ご褒美をもらったグループは、期待される行動(この実験の場合は人助け)をやめてしまったそうです。
はせがわ わかさんは、
ご褒美をあげるならびっくりさせてあげよう‼
とおっしゃっています。
サプライズでのご褒美は、あげてもアンダーマイニング効果はみられないそうです。
あらかじめご褒美を提示せず、サプライズとして成果に対してご褒美をあげた場合は、次にご褒美なしで同じ課題をしても、その課題の成功自体を喜ぶというような実験結果が得られているそうです。
はせがわ わかさんは、とくにやりたくないことをご褒美で釣るのは一番危険と警鐘をならされています。
指示に従うことでご褒美を貰うクセがつくと、いわゆる「指示待ち人間」になってしまいます。
もし子供が「楽しくないからやりたくない」のであれば、無理やりご褒美で釣るのではなく、「楽しくするにはどうしたらいいだろう」と、お父さんお母さんが考えてみることが大切。
引用文献:SB creative社 頭のいい子にする最高の育て方 はせがわ わか著
とおっしゃっていました。
アドラー心理学ではご褒美の望ましくない効果として
- ご褒美を目的に行動するようになる
- ご褒美がもらえないとわかると、適切な行動をしない
- ご褒美が次第にエスカレートする
- 結果ばかり重視するようになる
- はじめからあきらめてしまうかもしれない(どうせもらえないならやらない)
が挙げられていました。
ご褒美OK派
アメリカでは保育園や学校でもご褒美制度が導入されていたりするようです。
成果の対価として与えられるものは、学費の減額、お菓子やおもちゃなどさまざま。ご褒美の効果等はわかりませんが、日本に比べてご褒美に寛容のようです。
ご褒美穏健派として知られるのは、「学力」の経済学の著者で教育経済学者の中室牧子さんです。
著書、「学力」の経済学より、
- 「テストでいい点をとればご褒美を与える」グループと、「本を読む、宿題を終える、学校に出席するなどのことにご褒美を与える」グループを比較した場合、学力テストの結果が良くなったのは後者であった。
- 後者の学力テストが良くなった理由は、子供のやるべきことが明確であったため。
- したがって、成果にご褒美をあたえる場合(テスト結果が良ければご褒美をあげるなど)は、その手段を教えてあげる必要がある。
またアンダーマイニング効果については、
- (ハーバード大学のフライヤー教授の実験にて)ご褒美の対象となった子どもたちと、対象とならなかった子どもたちの内的インセンティブ(動機)には統計的な有意差がみられなかった。
- ご褒美が子供たちの「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせてはいなかった。
と書かれていました。
教育のエビデンスを知りたいならこの本がおすすめ☟
私の考え
とはいえ、
非認知能力が突き抜けていた場合、ご褒美があろうがなかろうが、その子のモチベーションを左右しないのでは?というのが私の持論です。
やっぱり非認知能力は大事!
そして大人社会の場合、ご褒美(報酬)があるからこそ辛い仕事も我慢し遂行できるというのも事実。
今回調べてみて、私はご褒美にネガティブな感情はないです。
ただ子供自身がご褒美をどう捉えているかはすごく重要で、ご褒美が悪いのではなく、子供との相性や子供の発達段階に合わせて対応を変化させるべきだと思います。
「ご褒美がないとやらない」というようなタイプの子も中にはいるでしょう。
しかし、そういうタイプの子も「勉強はご褒美がないとやらないけど、お手伝いはご褒美がなくてもやる」といったように、場面によって変わるものだと思います。
要するに、親の観察眼とコントロール力が重要になるんですよね。
私は、内的動機(興味、関心など)がないまま、ただただご褒美をあげるのではなく、「ご褒美は+αのもの」くらいの位置づけがベストだと思っています。
子供はご褒美がなくてもやるのか、ご褒美がないとやらないのか?を常に観察していきたいです。
ご褒美がなければやらないようなことなら、ご褒美をあげるより内的動機を作ってあげることが大切だと思います。
また、親が子供にやってほしいことをさせるには(勉強や生活面、お手伝いなど)、ご褒美をあげるだけでなくそれをするメリットを具体的に伝えていく必要があると思っています。
何事もメリットがわからないと、努力は続きません!
受験ノイローゼになった私だからこそ、それを実感しています。
子供は遠い目標を具体的にイメージできません。
努力を継続させるためには、親のサポートは絶対必要です。
子供より人生経験を積んでいるからこそ、将来ずっと先のことをイメージできるようにしてあげたいです。
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