保育園と幼稚園の違い
我が家は共働き、シフト勤務のため「保育園」を選びましたが、両方選択肢がある場合、迷いますよね?
ところで保育園と幼稚園って何が違う?
保育園 | 幼稚園 | |
対象年齢 | 0歳から小学校入学前まで | 3歳になった春から小学校入学前まで |
標準保育時間 | 8時間 | 4時間(延長なしの場合) |
保育料 | 所得によって決まる | 私立は園が決める 公立は自治体が決める |
給食 | あり | 園によって異なる |
管轄 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
法令 | 児童福祉法 | 学校教育法 |
先生の免許 | 保育士資格証明書 | 幼稚園教諭免許状 |
育脳、知育にいいのはどっち?
園によって特色はあるものの、やはり保育園は「保育」が目的なのに対し、幼稚園は「教育」が目的ですから、「椅子に座って先生の話を聞く時間」や「読み書きの機会」は幼稚園の方が多いようですね。
ですから、小学校の入学準備を考えると幼稚園の方がいいと考える人も多いようです。
引用元サイト:ベネッセ教育情報サイト様「保育園から幼稚園に転園するときに気をつけること」
世間のイメージは幼稚園の方が教育によさそうって感じ??
保育園と幼稚園の差はなくなってきている
幼稚園教育要領、保育所保育指針とも、
①子どもと保育者との信頼関係を基盤とする。
②子どもの主体的な活動を大切にし、適切な環境の構成を行う。
③子ども一人一人の特性と発達の課題に即した指導を行うこと
などを基本としており、幼児教育の指針として整合性が図られている。
特に3歳以上児の教育的機能に関しては、保育所保育指針は、幼稚園教育要領との整合性を図りながら規定されている。
また、2018年3月の保育所保育指針改定で厚生労働省は、保育所を教育施設と位置付け、「保育園も教育を行う」ということを明確に示しています。保育所保育指針解説はこちら
保育園、幼稚園間の教育要綱の整合性がとれているということは、個々の園によって知育・育脳効果に差がでるということかな?
知育・育脳にいい園とは?
ハッピーエデュ代表のはせがわ わかさんは、「外遊びに力を入れている園と、数や文字などの勉強に力を入れている園のどちらを選ぶか?」と相談を受けるとき、
迷わず「ぜひ、外遊び!」と答えているそうです。
「1人でできる子になるテキトー子育て」という著書のなかで以下のことを記載されています。
- イリノイ大学のローラ・チャドック・ヘイマン博士たちの実験から、ランニングマシーンで測定した持久力の高い子どもほど計算力が高い。
- 持久力は、記憶力や記憶するための脳の部位である海馬の容量とも深く関係していることが分かっている。つまり持久力が発達している子供は脳も発達している。
- 持久力をはじめとする運動能力が高いほど思考力が高いという傾向は、人間だけでなくラットなどの動物実験でももはや常識。
- 脳の中で新しい神経細胞を生み、成長させ、死滅するのを防ぐ栄養物質は、よく動くほどたくさん放出されるという、運動と脳の仕組みもわかってきている。つまりたくさん運動すると脳の性能が高まる。
結局は幼少期の子供にとって、頭をよくするためには運動が必須ということですね。
そこで重要なのが、その方法になります。
育脳のためには、「自由遊び」としての運動・外遊びが重要なんです。私は、人から教えられた通りに体を動かしているだけでは、運動の脳への効果が100%得られないと考えています。
「自由遊び」は、何をして遊ぶか、誰と遊ぶか、何が必要かなど、すべて自分で決めなければなりません。受け身の遊びではなく、子供たちが主体となって広がっていく遊びこそ、育脳に最強だと思っています。
また、はせがわ わかさんの本によると、
「運動の技術指導をしている園と、特に指導をしていない園を比べると、指導などせず自由に任せている園の方が運動能力が高い」とか…(杉原隆、他、体育の科学 2010)。整列、準備運動、説明、順番待ちなどの運動以外の時間が増えてしまうからだそうです。
「遊びが中心の幼稚園」「ドリルなどを一斉指導する幼稚園」の年長児の読み書き能力に、ほとんど差はなかったという報告もあるみたい。
ただし、はせがわ わかさんは「小学校にはいって勉強嫌いにならないためには、1日10分程度でいいので、読み書き計算の練習をすることは大切」とおっしゃっていました。
参考にしたのはこちらの本☟
私の園選びの基準
適度な勉強時間がある
息子の認可保育園は、英語(ネイティブの先生)、武道の時間があります。また年長になると、読み書きの練習時間があります。
もちろん保育園なので、勉強時間の何倍も「自由遊び」の時間があって、私はその保育内容に満足しています。
2018年の「保育園も教育を行う」という指針が生かされているのだろうと思います。
子供の数が少ない
私が園を選ぶ上で一番こだわったのは「少人数」という点です。子供は大人と遊んだほうが効率的に脳が発達するのです。子供の頭数が少ないほうが、先生と密にやりとりできます。
少人数の園のデメリットとしては、小学校に入ったときに、急に子供の人数が増えるため戸惑うかもしれないということです。
その予防として、息子の園では年長になると、近所の小学校に遊びに行く機会を設けてくれています。
大人の人生経験からくる発想は、子どもの遊びの幅をひろげてくれます
外遊びの時間が多い
外遊びは「運動+五感刺激」なので、効率的に脳を刺激できるわけですが、園によっては日々の忙しさや環境が原因で、十分な外遊びをさせてあげられないところもあるかと思います。
園庭があれば、外遊びの回数が増えるのは間違いないので魅力的です。しかし園庭がない園は、いろいろな公園に行けたりします。
息子の園は園庭はないですが、毎日子供たちが話し合って決めた公園へお散歩に行っています。
園見学に行った際は、外遊びやお散歩をどのようにしているかぜひ質問してみてください。
外遊びによる五感刺激の記事はこちら☟
優しい先生、保育士さん
先生や保育士さんは底抜けに優しいほうが私はタイプです。
叱る仕事は私がするので、保育園や幼稚園ではたっぷり甘えさせてほしいと思っています。他人に甘えられる環境は、他者信頼感につながり、自己肯定感を高めてくれると考えています。
縦割りのクラス編成
「縦割り」というのは、年齢を越えて、同じクラスで過ごすということです。
将棋の藤井聡太さんで話題の「モンテッソーリ教育」では、原則、縦割り保育(異年齢クラス)が行われています。年齢の違う子どもたちが、兄弟姉妹のように同じクラスで生活し、協調性や社会性を学びます。
年上の子どもが年下の子どもをお世話したり、年下の子どもが年上の子どもを真似したりするようになります。
魅力的な室内環境
室内で過ごす時間が一番長いため、室内環境やおもちゃが知育・育脳にいいものかどうかは重要です。
息子の園の場合、レゴ、ラキューなどの「創造遊び」のためのおもちゃ、コスプレコーナー、キッチンブース、おままごとセットなどごっこ遊びができる「想像遊び」のためのおもちゃ、工作やお絵描きのための道具、図鑑、絵本などすべて自由に使用してOKになっています。
また壁が全面ホワイトボードでお絵描きができたり、室内大型遊具で運動ができるようになっています。
感覚遊び(感触遊び)を重視している
感覚遊びとは「感覚統合」という脳の働きをお手伝いすることを目的とした遊びのことです。「感覚統合」を発達させるためには、触覚、固有受容覚、前庭感覚の3つの感覚が、他の感覚(味覚、嗅覚、視覚、聴覚)より大切なのですが………。
難しいことはさておいて、
要するに子供は「触る」ことから多くを学ぶのです。なので、スライム遊び、泥遊び、水遊びのような触る体験を多くさせてくれる園がいいです。
感覚統合のことはこちらに書いています☟
番外編:プリスクール
兄コアラは、1年ちょっとだけプリスクールに通ったことがあります。通っていた園は勉強時間が多く、週2回くらいは外遊びのない日だったように思います。
自由時間が少なく、体育、英語、科学、音楽…など、小学校の時間割のようなカリキュラムになっていました。座って先生の話を聞く時間が多かったように思います。
また、友達同士で日本語禁止だったため、幼少期に大切なごっこ遊びが抜け落ちていました。
もちろん園にもよると思うので、プリスクールを一律に否定するものではありません!!
ただ、幼児期はコミュニケーションを学ぶ大事な時期であることは確かなので、プリスクール選びはより慎重にされることをおすすめします。
結論
日本にある幼児施設の活動指針は統一されているため、保育園だから○○、幼稚園だから○○というようなイメージではなく、個々の園をしっかり見極めたいですね。
保育園がいい?幼稚園がいい?この際、その垣根を越えて、「知育・育脳にいい園」という視点で園選びをしてみてください。