身長と学力
ネット検索レベルですが、身長と学力の関係を調べた研究がでてきませんでした。
わかっていることは、
噂レベルで、中学受験をした男児の身長が低いというママ達の声が多くあるということです!
受験=夜更かしという構図は否めないので、身長と学力に負の相関関係があってもおかしくはなさそうですが…。
身長が伸びるのは、
(※身長が伸びる1度目のピークは赤ちゃん時代)
男の子の2度目のピーク(身長スパート)がいつ訪れるかというと、平均で中1の13歳ごろ。1年間に約10cm伸びます。
ただし、早熟な子は2年くらい早く11歳で身長の伸びるピーク(身長スパート)を迎えますし、おくて体質の子は15歳くらいでピークを迎えるわけです。
引用元:日経DUAL様「男児の身長ピークと低身長の原因 早熟過ぎも要注意」
身長が伸びるピークが中一だとしたら、受験塾、試験会場や入学式の段階で「まわりに小さい子が多い」と判断するには時期尚早かもしれません。
大学レベルの口コミでは、高学歴ほど高身長という書き込みもありますし…。
現時点で、中学受験=低身長のリスクとは言い切れなさそうです。
ちなみに、
学童期の背の伸びをロスする原因には、
(四谷メディカルクリニック様サイトを参考にさせていただきました)
- いじめにあっている
- 激しい運動をしたあとに、十分食べずに寝てしまう
- 両親が不和で心を痛めている
- クラスの中に合わない子がいる、または担任と合わない
- 重い荷物を持って移動している
- 夜更かし
- 持病によるもの
- 栄養摂取不足
などがあるそうです。
夜更かし、重い荷物、ストレス…このあたりは中学受験をするならついてくるものですね…。
時間管理、メンタルフォローなど親が十分サポートしてあげないといけないですね。
睡眠が脳に大事な理由はこちら☟
ちなみに、
身長と収入の関係を調べた研究はあり、
アメリカ・ペンシルベニア大学のニコラ・パーシコ教授らは、その人の所得と11歳、16歳、成年時の身長との関係を調査。
それによると、所得に影響を及ぼすのは16歳のときの身長で、イギリスの白人男性(平均身長176.6cm)の場合、身長が2.5cm高くなると、その所得は2.2%増え、アメリカ(平均身長175.7cm)の場合では、1.8%増だったという。(2004年)
オーストリア国立大学の経済学者アンドリュー・リー教授とシドニー大学のマイケル・コート博士が、オーストラリア男性(平均身長178.1cm)を対象にした調査研究では、身長が5cm高い男性は収入も1.5%多くなる。年収換算で9万円増加。(2000年)
大阪大学教授で経済学者の大竹文雄教授らが行ったアンケートを、同大学大学院の福澤洋樹氏が検証したところ、「学歴、勤続年数、企業規模、親の学歴、育った家庭の生活水準などをコントロールしたとしても、1cm身長が高くなると時間当たり賃金は約1.5%高くなる」とか。(2005年)
引用元:日経SPA様「男の身長が1cm違うと年収にどう影響する?」
これらは、身長と収入の関係を示したもので、身長と学力の関係を示したものではありませんが、学力と収入には正の相関があります。大卒と高卒の初任給の差からも、そこは疑いようもない事実!
ってことは、身長が高い方が学力も高いの?と勝手に妄想しそうになりますが、そこはわかりません!
高身長であるとスタイルがよくなるため、他人から褒められることで自己肯定感が高まる→つまり非認知能力があがる→学力があがる→収入があがるという構図はあるのか?
また、見た目で採用される職種(芸能界や接客業など)もあるため、身長が高いと選べる職業が増え、その結果として収入があがるのか?
など疑問点が残りました。
誕生月と学力
早生まれが学力面で不利という説、ツイッターでもよく目にします。
最近ツイッターでこれが話題になった理由はこの論文だったように思います。
労働経済学を専門とする東京大学大学院経済学研究科の山口慎太郎教授は、2020年7月11日に公表した論文(Month-of-Birth Effects on Skills and Skill Formation)で、生まれ月による差は想像以上に長く続くとする研究結果を発表した。
(教授のツイッターより)
- 3月生まれと4月生まれで入学した高校の偏差値を比べると4.5違った。
- 同じ学年内で年少の子の認知能力は低く出るが、学年が上がるにつれその差は縮小する。
- 同じ学年内では相対的に年長の子が高い非認知能力を持っていて、学年があがっても小さくならない。
- 早生まれの子ほど、学校外の学習時間と読書時間が長く、通塾率が高かった。
- クラスメートや先生との人間関係について尋ねた質問への回答を見ると、早生まれの子供たちは、こうした人間関係がうまくいっていないと回答している。また、スポーツなどへの参加率は低いこともわかった。
山口教授は、“早生まれの不利を跳ね返すために、親御さんは家で勉強や読書をさせたり、塾に通わせたりしますが、その分、子供同士で遊んだり、スポーツをしたりする時間が減り、非認知能力が育ちにくくなっている可能性がある”とおっしゃっています。
ツイッターで軽く見ただけなので、この論文は「早生まれ=学力面で不利と述べている」と、とらえていましたが、
結局は「非認知能力が関わっていたのか!」と思って読むと、早生まれ=学力面で不利というのは必ずしも当てはまらないと思います。
ただ、数字で示されている以上、早生まれの子供を持つパパママは介入すべき問題であるとは思います。
山口教授は、対策として「早生まれの子供は不利であることを認識し、親御さんは学業だけに目を向けず、非認知能力を高めることを意識してほしい」とおっしゃっています。
『東大に入る子』は5歳で決まる」の著者で精神科医の和田秀樹氏は、その著書で、
東大に受かる子供は4月、5月、6月生まれが多いとおっしゃっています。
4、5、6月生まれの子どもは、他の子より早く生まれている分、成長がすすんでいるので、たとえ普通の実力だったとしても、「ほかの子よりできる子」という状況になります。
「自分はできる子」という自信が、そのまま受験に有利に働いているそうです。
山口教授と同じような結論ですね。自信こそが、学習の継続につながる!
非認知能力についての記事はこちら☟
こちらの本を参考にしました☟
出生順と学力
オーストラリアのオタゴ大学で、25年間にわたって行われた追跡研究「Birth Order and Educational Achievement in Adolescence and Young Adulthood(思春期および若年成人期における出産順序および教育功績)」によれば、出生順位が早いほうが、学校の成績も良く、学歴も高くなる傾向があります。
ポーランドの研究でも、長子のほうが教育を受ける年数がはるかに多く、高い社会的地位を持つ傾向があると結論づけられている。
引用元:TABI LABO様「生まれた順番」が、なぜ学力に影響するのか?
第一子の方が情熱も時間もお金もかけられる、出生順位が遅くなるほど親は子供に甘くなる…。というのが理由らしいです。
ちなみに、第一子が手厚いケアを受けられやすく、賢くなる傾向にあるということは、一人っ子に関しても学力に優位性があると考えています。
これは本当にそうですよね…。
兄コアラよりリトルコアラの方が勉強に関しては確実に放置です…。
ってことは、これも親の介入しだいということですね。
事実、佐藤ママは東大に4人とも合格させているわけですし!
手抜きのおうち英語しか受けていないリトルコアラの実力こちら☟
親の学力と子供の学力
小学6年と中学3年の全員を対象に、毎年4月に文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が行われます。
そして無作為に選ばれた10万人規模の保護者に対してもアンケート調査が行われ、保護者の年収や学歴といった家庭の社会・経済的背景を指標化し、テストの平均正答率との相関関係が分析されています。
その結果、
保護者の学歴が高いほど児童生徒の学力が高い傾向がみられるが、より詳しく見ると、児童生徒の学力は父親の学歴より母親の学歴との関係性がより強く出ていることだ。
中3の数学Bでは、父親の最終学歴が「高等学校・高等専修学校」のケースだと正答率は44・1%、「大学」になると56・55%に上り、その差は12・4ポイント。
一方、母親の最終学歴が「高等学校・高等専修学校」だと43・4%、「大学」になると60・0%になり、差は16・6ポイントに広がり、父親の学歴にともなう差より拡大していることがわかるのだ。
引用元:マネー現代様「父親の学歴より、母親の学歴との関係性が強く出る」
ちなみに親の年収と子供の学力も正の相関が示されています。
年収とか学歴とか、ぶっちゃけ相関があるといわれても、今から簡単に変えられるものじゃないので、ここは流しましょう!
それより、このアンケート調査では家庭の蔵書数と学力にも正の相関関係があるとわかっているので、良質な本をたっぷり子供に与えることに集中しましょう!
運動と学力
イメージでは「勉強の苦手な子がスポーツ得意でクラスの人気者」みたいな感じじゃないですか?
ただこのイメージは古いかもしれません。運動と学力は両立するというのが今のスタンダードです。
あとは余談ですが、最近は賢い男の子がモテるらしいです。最近の子は現実的ですね(笑)
カリフォルニア州の小・中学生を対象にした調査「カリフォルニア州の体力と学力の相関関係」によると、「運動能力が優れた子は学力テストの結果も同様にいい」という結果も出ています。
イリノイ州で実施された別の研究「小学生の全身持久力と算数・読解テストの成績との関係(Hillman, C. H. et al. (2008)Be smart, exercise your heart: exercise effects on brain and cognition. Nat Rev Neurosci., 9:58-65.)」では、テスト中の子供たちの脳波は運動後も活発だったという結果も出ました。
これらの研究は、運動による刺激や体力の向上が、記憶や認知、論理的思考の構築や集中力と関係があることを示しています。
引用元:スポーツ庁
ハッピーエデュ代表のはせがわ わかさんは、
運動神経とは、運動に関する脳の伝達システムです。この伝達システムを流れる電気信号が強くはっきりしているほど、筋肉を思った通りに動かすことができます。これが運動神経がいいということです。
思い切り外遊びをする子どもは、脳の神経のつながりが活性化しており、自分の動きを正しくコントロールする能力が明らかに高いと報告しています(オレゴン州立大学)。
引用図書:SB Creative発行「頭のいい子にする最高の育て方」著者はせがわ わかさん
運動で脳が活性化するということは、運動することで脳が発達するということ。つまり運動も勉強も得意というのは至極当然なんですね。
子育てのエビデンスが詰まっているこちらの本を参考に書いています☟
最後までお読みいただきありがとうございました☆
栄養と知力についてはこちら☟