損切りとは?
損切りとは、買値より株価が下落し、含み損を抱えている株式を売却して損失を確定させることです。
損切りはメンタル的にとても難しいんです。損を確定させることで、もうそのお金は戻ってこないと痛感するし、自分の投資が間違っていたと実感し落ち込みます…。
みんなの損切りラインは?
ツイッターでフォロワーの皆様に、損切りルールはどうしているかアンケートをとると、
5%10%と下落率で決めている | 14% |
10万など金額で決めている | 21% |
損切りラインを決めていない | 43% |
損切りしない | 21% |
損切りしないという強者が2割もいました!
とはいえ、私も損切りあんまりしない方です…。損切り貧乏とか言うし…(言い訳)
しかし、損切りをちゃんとしてあがる株に資金を移したいので、今回は損切りについて考えていきます。
プロの損切りライン
プロのディーラー経験もある高野譲さんの本を参考に書いています☟
損切りがスムーズにできるようになるまでに、平均500万円の損切りが必要だとか…。
高額な授業料ですね…
ルールによる損切り設定
「超実践 株式投資のプロ技」の著者 高野 譲さんは、”損切りの基本は「損切り幅」を決めることだ”とおっしゃっています。
買った株式が予想に反して下降し、予め設定した損切り価格に到達したら機械的にロスカットする。
目安として、
トレードスタイル | 最大損切り目安 (100万円あたり) |
スキャルピング | 0.5%(5000円) |
デイトレード | 2%(2万円) |
スイングトレード | 8%(8万円) |
長期トレード | 16%(16万円) |
状況判断による損切り
もともとの想定と違った、思ったような値動きではない場合に損切りをする。
エントリー理由が崩れた場合の損切りもこちらに当てはまると思います。
※優待廃止、減配etc
状況判断による損切りということは、つまり裁量で損切りをするということです。
基本的にプロは損切りラインを決めず、裁量で損切りをしているそうです。銘柄分析が完璧である場合、裁量での損切りでも問題ないでしょう。しかし、私の銘柄分析は、ど素人がちょっと勉強した程度であるというのが現状です。
私のスキルでは、「これは絶対にいい銘柄に違いない」と言い切れないので、
裁量のみでの損切りは危険すぎます!
なので、損切りルールにプラスして併用するのがいいと思います。
勝率によって損切りラインを変える
これはミネルヴィニ氏の手法です。損切り・利確ラインによっては、勝率25%でも儲かるそうです。
くわしくはこちらの記事に書いています☟
損切りの名著(投資本)
生き残りのディーリング
生き残りのディーリングの著者 矢口新氏は、
アゲインストのポジションは、持ってはならないものなのです。アゲインストのポジションからは、まともなものは何一つ生み出せません。必要以上のエネルギーを浪費させ、相場観を狂わせ、機会利益を減少させ、ひいては取り返せないほどの損を抱える危険をはらんでいるのです。
評価損は、実現損より性質が悪いのです。実現損は過去の損ですが、評価損は生きています。これからどこまでも成長する可能性を秘めています。また、損をきれないことを正当化するための相場観が用意されます。
引用文献:パンローリング社 実践生き残りのディーリング 矢口新 著
この文を読んで一番怖いことは、含み損は生きているということではありません。
自分の中に、含み損を正当化するための相場観ができてしまうということです。これでは損をしている銘柄だけでなく、他の銘柄や今後の投資にも影響が及びます。
また、含み損銘柄でパンパンだと、買い場が到来したときに余力が足りず買いにむかえません‼
損切りについて書かれた名著はこちら☟
デイトレード
デイトレードの著者 オリバーとグレッグ氏は、
損失をコントロールすることだけに注目する熟練トレーダーは常に成功する。
負けをコントロールすることができるようになれば、勝ちを求める必要もなくなる。勝利はひとりでについてくるのである。
引用文献:日経BP社 オリバー・ベレス/グレッグ・カプラ著
勝つ銘柄を探すより、負けをコントロールすれば勝てるということ!!衝撃的です。
しかし、損失確定の決断の際には葛藤があり、自分の心がそれを邪魔します。やはり損切りは機械的にやるのがいいのかもしれません。
デイトレしなくても一読の価値あり☟
オニールの相場師養成講座
株が値を戻すのを願って待つのではなく、小さな損失が出たらいつでもすぐに売ることを学ぶ。
引用文献:オニールの相場師養成講座 著者:ウィリアム・J・オニール パンローリング社
オニール氏は損切りラインを7~8%に置いています。
エナフン流株式投資術
上記までの投資家さんたちは、積極的な損切りを推奨されていますが、割安成長株投資で有名な個人投資家のエナフンさんは、
成長株投資の場合、少なくとも3~5年は保有し続ける覚悟が求められる。
また、短期トレーダーにはおなじみの「損切り」については考えを改めた方がいい。保有期間中には何度となく10%以上の下落局面が訪れるが、そのたびにお宝株を手放すようでは大きな利益を手にすることはできない。
引用文献:エナフン流株式投資術 著者:奥山月仁 日経BP
とおっしゃっていました。
ただし、これは自分の銘柄分析に自信があるからこそなせるワザ!
分析も中途半端な私は、損切りは必要と考えています。
オススメ投資本はこちら☟
株式トレード基本と原則
マーク・ミネルヴィニ著の「至極の1銘柄で勝つというより、ポジション管理でトータルで勝つ!」という感じの本です。そのために損切りは必須で、失敗も戦略に含まれていると捉える必要があります。この本には、勝率に応じた効率的な損切りラインという考え方が記載されており、とても勉強になりました。
私もミネルヴィニ氏の考え方を取り入れました
私の損切り戦略
本当は損切りが苦手
私が逆張り投資をしている理由の一つに、損切りが苦手ということがあります。しっかり暴落をしているものを買うことで、損切りを避けています。
それでも損切りは完全には回避できず、大きな損失になるとその心理的負担はとても大きいです。
気軽に損切りするためには、損失を大きくしないことが大切です!
損切りできず塩漬け、ナンピンとなった失敗談はこちら☟
私の最終損切りライン
逆張りの名著「カウンターゲーム」に従い、
損切りラインを-25%に設定
しています。
「カウンターゲーム」では、直近1年の最高値より50%暴落したところでのエントリーを推奨しています。
すでに50%も大暴落している銘柄の逆張りだからこその損切りラインだと思います。
普通25%も下落したら、わりとギブアップですよね…
myルール
基本的には25%下落で損切り!
逆張り投資家なら必読☟
でも…最終損切りラインでの損切りは、金額が大きく辛いです…
ーーー2023年10月追記ーーー
全体暴落局面での対応を悩んでいたところ、ミネルヴィニ氏の勝率に応じた損切りラインという考え方を知り、取り入れることにしました。
ボラティリティの高い弱気相場では、勝率は低下すると考え、損切りラインを10%まで引き上げます。
詳しくはこちらにまとめています☟
エントリー理由が崩れた時は、損切りラインに関係なく損切りをします。優待目的銘柄の優待廃止、グロース株の減益etc
損切りしやすいポートフォリオを組む
私の損切りラインは-25%と、かなり緩いものになっています。私の手法は下落トレンドでエントリーする逆張り投資なので、どうしても損切りラインは緩くなってしまうのです。
しかし、実際25%で損切りをすると、損失金額がかなり大きなものになります。
そこで‼
損切りしやすいポートフォリオを作ろう!
と考えました。
ポートフォリオ:どの銘柄をどの程度もっているかというバランス(組み合わせ)、PFともいわれる
損切りしやすいポートフォリオとは、分散投資のことです。
25%を損切りラインにする以上、分散投資は必要だと考えました。
ここでも逆張り投資の名著「カウンターゲーム」に従い、
一つの銘柄はPFの5%前後にとどめる!
をルール化しました。
ちなみにカウンターゲームの著者 アンソニー氏は、
- 一つの銘柄は5%以上にしない(できれば3%)
- 同じセクター、テーマの株はトータルで20%にとどめる(できれば10%)
ともおっしゃっています。
私のポートフォリオ戦略☟
損切りを快感に変える
損切りをした日は、お酒を飲む、美味しいものを食べる、好きなものを買う、やりたいことをやる、などして、損切りが良いイメージになるようにマインドコントロールします。
また、損切りしたあとは、ネガティブな気持ちに目を向けず、ルール通りに動けた自分にポジティブな感情を持ちます。
ミネルヴィニ氏の言うように、損切りは投資戦略に組み込まれた行動であり、なくてはならないものなのです。
損切りは、勝てる投資家になるために大切な要素!
これからもしっかり向き合っていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
私の銘柄選び・買いタイミング・売りタイミングの方法はこちら☟